創業の理念

海に囲まれた日本の安全保障の要は、航行の安全が確保され、輸出入が滞りなく行われる状態を常に維持することです。また、海底通信ケーブルが維持されること、悪意ある外国船が沿岸に近づくのを阻止することも必要です。その為にはどうすれば良いかを、我々は真剣に考えました。

宇宙からは衛星が監視し、艦船と航空機が常に海上を哨戒して、一旦急あれば、戦力を持った艦船や航空機が直ちに出動できる体制を維持することが必要なのは勿論ですが、それだけではとても十分とは言えません。海上や空からでは窺い知ることのできない海中においても、常に異常を検知し、直ちに危険を排除する体制が整っていなければなりません。

その一方で、我々は、驚くべきスピードで進歩しつある現在の科学技術に、極めて鋭敏でなければなりません。情報通信技術、及びそれがもたらしたAI(人工頭脳)やロボットの技術は、人間の五感や頭脳や身体の殆ど全ての能力を代替することができるどころか、それをはるかに超えるレベルの能力を持つに至っています。特に多くの人命が大きなリスクに晒される安全保障分野においては、この事実を正しく理解して、これまでの常識の全てを抜本的に変える体制を構築する必要があることを、全ての日本人が明確に認識すべきです。

我々は、この観点から、日本の安全を断固として守り、併せて、資源に乏しい日本が「海洋立国」によってこの弱点を克服する為に、日本のEEZ全域に無数の無人潜水艇(海中ドローン)を配備し、「人命の犠牲を伴うことなく、強力無比な『専守防衛』の体制を固める」という大任を委ねると共に、平時においては、このシステムを、広大な海域における「大規模な海底資源探査」の為にもそのまま使うことが、必要である以上に「不可欠」であると、確信するに至りました。そして、この為の重要な役割を果たすべく、SAUFAL株式会社 (SAUF Architectural Laboratory Inc.) を設立しました。

この会社が、その実現のために微力を尽くす「SAUF」とは、我々が創った言葉ですが、Swarming Autonomous Underwater Fleet の頭文字を取ったものです。海洋防衛の為にも、海底資源探査の為にも、AUV(Autonomous Underwater Vehicle – 無人潜水艇)の存在は今や必要不可欠と認識されていますが、我々は、それは「単体のVehicle(艦艇)」にとどまっていてはならず、「Swarming Fleet (群として行動する艦隊)」でなければならないと考えています。そして、その為には、自律活動と他律活動を統合した「高度な戦略・戦術」と、それを支える「AIを駆使したソフトウェア」、及び「斬新な発想に基づく給電と通信のシステム」が、三位一体として存在しなければならないと考えております。

航空機とミサイルの脅威に晒されることのない「海中」は、近代戦における戦略上の別世界ですが、ここを制するものが実質的に「制海権」を握り、海に囲まれた日本の独立と、日本人の基本的人権を守ります。現在の国際情勢を深く洞察すれば、我々日本人にはもはや一刻の逡巡も許されていないことが理解されるでしょう。大胆な構想と迅速な行動が、今ほど求められている時はありません。

 

SAUFAL 株式会社

代表取締役会長 松本 徹三